最新情報

News

パソコンの掃除のススメ!

デスクトップパソコンやノートパソコンをお持ちの方。
定期的なお手入れはされていますか?
画面やキーボード、外側を拭く方は多いでしょう。
埃やアブラ、手垢などでどうしても汚れてしまします。
でも、中身を清掃したことはありますか?
特に設置したままのデスクトップパソコンなどは、なかなか清掃の機会などもないので汚れが溜まりっぱなしになっていることは想像に難くありません。
でも、パソコンは動いているので気にされない方も多いでしょう。

では、何故パソコンに汚れが溜まると良くないのかをお話ししておきましょう。
まず、パソコンの内部は電子部品の塊です。
電気が通るということは、それだけで熱が発生します。
ヒーターやクーラーは電気を熱に変換する極端な例ですが、それ以外の機器も基本的には発熱しています。
パソコンであれば、CPUやグラフィックボードが特に発熱する対象です。
CPUは使用状況などにもよりますが、100度近い温度になることもあります。
昨今は省電力や低発熱の技術が進化したとはいっても、ゲーミング用途などでは発熱は問題の一つです。
発熱することによって、正常な動作を阻害されることもあります。
いわゆる、熱暴走と言われるものですね。
その熱をパソコンは基本的に、空冷で対策しています。
冷たい空気を取り入れて、発熱した部品と熱交換して、ケース外に排熱する…
その際に、ケース内に埃が溜まっていたらどうか、空冷ファンが埃だらけだったらどうか?
考えただけでも良くないことは分かりますね?
また、発熱している部品に埃が触れ続けたら、もしもショートしたら…
パソコンが壊れるだけならともかく、火事の原因にもなりかねない代物です。
なお、ノートパソコンにはリチウムイオンバッテリーが搭載されており、発熱や発火により爆発炎上につながるという、恐ろしいコンボになるかも知れません。
そうなる前に、パソコンを清掃しましょう。

基本的にデスクトップパソコンの場合、前面・上面から吸気して、背面から廃棄するパターンが多いです。
よって、部屋の空気中のゴミや埃を吸い込む部分にはダストフィルターを施されているものが多いですが、それは直接大きなゴミを吸い込まないためであって、フィルターには仕事をした分だけ、ゴミが溜まります。
けど、これってなかなか取り除くのが難しいですね。
家の換気扇を思い浮かべてみてください…
換気扇は空気中の油分がこびりつくので一概には同じとは言えませんが、なかなかお掃除は難しいです。
何と言っても、羽根についたゴミや汚れを羽根1枚ずつ掃除するのが面倒です。
パソコンの場合は、換気扇のように大きくなくとも、12cm程度のファンに羽根の枚数は多いし、骨組みがあるので、簡単には掃除をさせてくれません。
ケーブルも接続されているので、簡単に分解するわけにもいきません。
一般的にファンは前面、CPU、背面、グラフィックボード、電源ユニットにあり、場合によってはケース上面、底面などに増設している人もいるでしょう。
それらを全部掃除するのは面倒ですし、骨の折れる仕事です。
それでは、次に実際のクリーニングがそのように行われるか具体的にお話ししていきましょう。

ケースファンのクリーニング
ファンは基本的な部品なので最も数が多く、かつ面倒な部品になります。
複雑な形状で、小型で分解しにくいもしくは、分解できない構造の場合も多いです。
ファン自体を取り外せるものは取り外して、エアダスターなどで付着した埃を吹き飛ばしましょう。
表面に付着した汚れは拭き取れるようでしたら、拭き取りましょう。
ただし、羽根がプラスチックのものが多いので、折ったりしないように注意してください。
また、取り付ける際にはファンには表裏や端子の差し込みがどこだったか忘れないようにすることが肝心です。
また、大きなゴミを吸引しないように取り付けられているエアフィルターがある場合には、取付忘れないようにしましょう。
間違えると、吸気と排気が逆になったり、正常に動作しない場合があります。

基板表面の汚れ
空気中の埃は色々なものを含んでいますので、堆積すると場合によっては基板に固着してしまうことがあります。
よほどの汚れでない限りは大きな影響は及ぼしませんが、油分を多く含む場合は基板のコーティングに悪影響を及ぼしたり、熱を持ってしまう場合もあります。
また、一番怖いのがゴキブリなどの虫を誘引してしまう場合があります。
なお、基板表面は配線を守るためのコーティングが施されており、接触などに耐久がありますが、背面ははんだ付けされていますので、場合によってはショートしてしまう場合がありますので、むやみに拭いたり触ったりするのはやめておいた方が良いでしょう。
静電気などで故障する場合もありますので、ブラシなどで擦ったり、掃除機で吸うのもダメです。
パーツクリーナーで清掃する手もありますが、基板の腐食を招く可能性もありますので、基本的に触らないのが無難です。
ここはプロに任せる方が良いでしょう。

ヒートシンクの隙間の埃
発熱しやすいチップやCPUには放熱用のヒートシンクと呼ばれる放熱板は取り付けられている場合があります。
効率的に放熱するには空気に触れている面積を増やす必要がありますので、薄い金属の板を間隔をあけて何層もの構造になってることがほとんどです。
ここに埃が付着すると、空気に触れる面積が狭くなり、効率的に排熱ができなくなります。
ただし、効率が良いものほど薄い金属板で構成されており、掃除の際に変形してしまって、他の放熱板に触れてしまう場合もあります。
できる限り慎重に作業を行いましょう。
それと、内部に虫が入ってしまっている場合、狭いヒートシンクの間に潜まれたり巣を作太利する可能性があり、この場合にはヒートシンクを取り外して清掃する必要があります。
素材としては熱伝導性の高いアルミや銅が使用されている場合が多く、変形しやすいので注意が必要です。
また、チップ直接取り付けてあるのですが、密着率を上げて熱伝導を行いやすくするために接着剤となるグリスが塗られていますので、清掃した後はグリスを塗りなおして接着する必要があります。
基本的にはグリスは経年劣化しますので、はがした後の再接着はおすすめしません。
再塗布して貼りなおしましょう。
ただし、グリスの塗布には慣れが必要なのと、グリスの種類によって伝導率が変わりますので、注意が必要です。

CPUファン、グラフィックボードのファンのクリーニング
これらはかなり厄介な部分になります。
空冷式なのですが、ファンとヒートシンクの組み合わせ構造が多く、作業が面倒かつ、分解も難しいです。
CPUファンは大型のものが多く、CPUソケットにファンの取り付け金具などがあるので、比較的取外しは簡単です。
ただし、CPUと接着用にグリスは塗布されていますので、再塗布が必須です。
またヒートシンクの形状も、最も繊細なものになると思われます。
さらに厄介なのがグラフィックボードです。
基本的には分解清掃する作りにはなっていませんので、分解は可能ですが完全に分解はできません。
また、ヒートシンクとの複合構造になっているのでCPUと同じく手間や作業が必要です。
ファンが小型なのもあり、清掃は面倒です。
ただし、パソコンの中で発熱量上位のパーツなので清掃しておくべきでしょう。
当然ですが、高価なパーツの可能性が高いので、もしもの場合は自己責任です。
特にグラフィックボードは種類によっては、一番高価なパーツになる場合もあります。
ご心配な方はプロに任せるのがストレスがなくてよいかと思われます。

配線の効率化
汚れを取ったら、今度は空気が流れやすいように中を整理しましょう。
いくら吸気や排気が良くても、冷やすべきパーツに効率よく行き渡らなくては効果が半減します。
パソコン内部は通信用のケーブル、電源用のケーブルなどがたくさんあり、空気の通り道をふさいでしまう場合も多々あります。
最近は魅せるための裏側配線などもあり、きれいにまとめることも可能ですが、それらのボードを使用している人は少ないでしょう。
特にメーカー製のパソコンを使用されている方は省スペース化が進んでおり、ケース内の空きが少なく、場合によってはエアフローが効率が悪いこともあります。
また、自作のパソコンの場合もケース内部の容量は大きくても配線が乱雑に行われていることがあったりするとエアフローが悪くなります。
ケーブルは長すぎず、短すぎず、束ねることはあっても、巻いたりしてはいけません。
巻くと熱が発生しやすく磁界も発生するので、パソコンには悪影響です。
上手くコードタイなどでまとめましょう。
垂らしたままにしていると、ファンに巻き込む可能性があります。

いかがでしたでしょうか?
パソコンもきちんと清掃して、良いパフォーマンスを発揮させるにはメンテナンスが必要です。
一度購入すると、それなりの年数の付き合いになる機械ですので、大事に使用したいものです。
ただ、なかなか内部を覗くことは少なく、故障するときまで気にしないのも事実です。
ですが、空気清浄機や扇風機、エアコンを思い浮かべてみてください。
1シーズン使用しただけでも、フィルターの清掃などが必須かと思われます。
パソコンも吸気して排気している以上、ゴミの問題は避けて通れません。
性能の低下や故障につながりますので、定期的なメンテナンスを心がけましょう。