フィルムで写真を撮ったなら…
未だに根強い人気と、レトロな味わいを求めて使われることが多くなったフィルムカメラについて
デジタル時代ならではの、フィルムの撮影後がどのようになっていくのか、ご説明しましょう。
スマホの撮影などと違う部分が多く、お金の話にもなりますので、相互の理解になると幸いです。
フィルムってどうやって記録しているの?
デジタルカメラやスマートフォンでは撮影すると、メモリーカードやカメラの本体にデジタルデータとして記録されるのはみなさんご存じでしょう。
それは、撮影した写真がデジカメのモニターやスマホの画面に表示される確認できるからです。
ではフィルムはどうでしょうか?
フィルムで撮影した写真は、フィルム自体に記録されます。
ただし、撮影をしたままの状態では書き込みが確定しておらず、重ね書きができる状態です。
※これを利用した撮影テクニックが多重露出になります、同じコマに2枚以上の写真を撮影して物理的に合成写真を撮影する方法です。
では、書き込みを確定させるにはどのようにするのでしょうか?
現代では、あまり耳にすることが無くなった用語の『現像』がここで出てきます。
近年までフィルムでの撮影自体が非常に少なく、『現像』と言う言葉は半ば、プリントと同義に扱われることもありました。
確かにフィルムを『現像』するとプリントした写真が出来上がってきていたので、結果として現像=プリントの構図が出来上がるのも無理がない話かも知れません。
ですが、実際には『現像』は『現像』であって『プリント』ではありません。
それに関してご説明しましょう。
フィルムで撮影した写真がプリントになるまで
先にお話しした通り、フィルムをカメラに入れて撮影した時点では、まだ写真としては確定していない状態にあります。
これは、フィルムのベースである樹脂に塗布された薬品が、撮影時の光で感光して、変化はしているが定着していない状態だからです。
現像の第一工程としては、これを定着させるところから始まります。
その前に、記録できるだけの状態にする工程もありますので、厳密には第一ではないのですが…
この作業中に様々な薬品を使用して、様々な条件をクリアするという、難しい工程がありますので、現像という作業には人の手間とお金が掛かることになります。
薬品と馴染みやすくするためにフィルムを浸し、定着液に漬け、洗浄し乾燥させます。
薬品も毒性があり、適切な処理が必要になります。
また、正しい結果を出すための手順もあり、今でこそ機械で自動化されていますが、それ以前は自分で作業場を用意し、薬液を作り、自分の勘で現像をする時代もありました。
こうやって、撮影されたフィルムはネガシートと呼ばれる茶色のシートとなって、戻ってきます。
※ネガフィルムは茶色ですが、白黒やリバーサルもあるので、一概に茶色ではありませんが、一般的に皆様が見ることのあるシートはネガが多いので、ネガ(ネガシート)と呼称します。
ネガってなんだ?
さてさて、お店に受け取りに行くと何やらよく分からない茶色いシートを渡されます。
これがデジカメで言うところの、メモリーカードになるわけです。
このネガから画像データを作成したり、紙にプリントしたりするわけですね。
この最近では基本的に画像データありきですので、データがあればネガが不要と言われる方も多くなっています、これは仕方ないことかもしれません。
ネガシートのままでは、色がネガ反転しているので像を確認することぐらいしかできないのです。
しかも一般的なフィルムの場合、1コマの大きさは36mm×24mmと運転免許証の写真を少しばかり大きくしたサイズなので、何が写っているかを確認するのも一苦労です。
ですから、色も出来上がって、大きくして確認できる画像データがあれば、よく分からない茶色のネガは必要が無いと言われればそうなのだと思います。
ですが、先ほど申し上げました通り、ネガはデジカメで言うところのメモリカードにあたり、作成した写真やデータが失われた場合には、そこから何度でも取り出すことは可能です。
昔の人たちはこのネガを大事に保管されている人は今でも多いです。
もちろん、ネガからデータ化するサービスも行っていますので、ご相談ください。
ネガの活用方法
ネガができて初めてプリントやデータにすることができます。
現像は必要な作業とはいっても、面倒ですし、ネガ自体には実用的な意味を見出すのはなかなか難しいでしょう。
かといって、ネガには手間やお金が掛かっているので、無料にもできません。
フィルムを嗜む方にはそのあたりをご理解いただけると、スマホやデジカメのようにとりあえず撮るのではなく、一枚一枚をしっかり考えて、できる限り最高を目指すという意識も出てくるのではないでしょうか?
ネガからはプリントを作成することができます。
L判からもっと大きなサイズまで…実際のフィルムの時代に、一般的に最大サイズと言えば全紙でしょうか、560mm×457mmとされていますので、A3よりも大きいです。
また、ネガから画像データを作成できます。
ただし、そのままスキャンするとネガ反転していますので、見れたものではありません。
ですが、ネガ自体の耐用年数は数十年単位でもたせることも可能なので、CDやDVD、その他デジタルメディアと比べると、途方もない耐用性があります。
※保管状態や取り扱いで大きく変わりますので、保管の条件は守って丁寧に取り扱いましょう。
カメラのワタナベでは…
近年のフィルムカメラのブームに伴う、フィルムの需要増と、学校関係では修学旅行などでのスマホでの撮影禁止などを受けて、写ルンですの需要も伸びています。
お年を召された世代の方でも、スマホは分からなくてもカメラは分かると仰られる方も多く、好評です。
撮影したら現像はつきものと言いますか…しないと」何の役にも立ちませんし、現像せずに放置おくと薬品の変化により、正常な像が出なくなってしまうこともあります。
そこで、カメラ本体とは別に現像を無料にするサービス券をセットにして特別価格にて販売しております。
その後、プリントにされるも良し、データ化してスマホに転送しても良し、スタッフにお申し付けください。
なお、プリントやデータ化は別途料金が必要になりますので、ご了承ください。