ハーフカメラに関して
PENTAXから、新作のフィルムカメラが発売されることになったのは、耳に新しい話です。
この頃、フィルムカメラが人気ですが、フィルムはコストが高いというのが気になる方や気付いてしまった方もいるでしょう。
フィルムを買って2000円、現像して1000円、データに変換して1000円と言う感じで、1回撮影してデータにするまで4000円程度かかるという事も珍しくはありません。
流行りのユニークなフィルムや、期限切れのフィルムを使用したりするとなれば、更にコストがかかることもあります。
実はこの問題、今に限った話ではなく、かつてフィルムの時代にもあったのです。
意外と高価な記録メディア
メディアと聞くとSDカードとかそこら辺を思い浮かべがちですが、フィルムも記録メディアですし、ビデオテープやCD-Rなども記録メディアです。
どんなメディアも大量生産によって身近なものになり、安価になりました。
ですが、それらのメディアも開発当初は画期的なものであり、高価だった時代があるのです。
例えば、ビデオテープ…最盛期には10本1箱とかで投げ売りだったり、百均で売られていたこともあったりと、ありふれたメディアでした。
発売当初のVHSテープは120分で6000円程度だったと聞きます。
100円が6000円と考えれば、いかに高価だったか…そう考えると人は節約する手段を考えます。
ビデオテープなら上書き録画をし、ジュースだったら薄めて、フィルムだったら…
何と、1コマに2枚写してしまえば、倍撮れるじゃない! という結論に至るのです。
そうして考え出されたのがハーフカメラというわけなのです。
最近では、使い切りカメラもハーフの物も出ましたし、最新のフィルムカメラ『PENTAX 17』もハーフサイズカメラなのです。
もちろん、倍の枚数を撮影できることによる別の問題もありますが、それは別の話。
ハーフカメラの注意点
ハーフカメラは通常の35mmフィルムの1コマ(36×24mm)に2枚(21×17mm)撮影します。
つまり写真1枚の面積としては0.7倍となってしまうので、プリント時には1.4倍に引き伸ばします。
これにより、画質に影響を受けますが、今はフィルムっぽい粒状間や荒れ具合がエモい時代なので、大きな問題にはならないでしょう。
ですが、単純に2倍の枚数撮影できてしまうので、現像料は同じだったとしても、プリントすると価格は最大で2倍になります。
これって結構痛かったりするんです。
データで貰うのなら、プリント代はかからないんですけどね。
さて、このデータにする場合に一つ問題があります。
本来は1コマの中に2コマを物理的に露光させているだけなので、2枚で1コマ分のデータになってしまいます。
これは案外見落としがちな事実!
データを受け取ると、別々の写真が1枚分の画像になってて、モヤモヤしてしまします。
でも、大概の現像所はこの方式で戻してきます。
これは、その昔、ハーフサイズが現役だったころから悩みの種の一つでした。
35mmが普通なので、現像機などの自動化された機械も当然35mmを現像するように設計されています。
1コマに2枚写ってるのが分かるのは人間だからです。
機械にはそれが分からないので、通常よりも現像やプリントに時間が掛かったり、価格が逆に高かったりすることもありました。
現在であれば、ネガからデータ変換すると、同じように1コマに2枚の写真になるのでデータも別々にしてほしいのが人情。
でも、機械化された今日では機械がやらないことは、人の手を使わないといけません。
ですので、ご希望の方は別料金で画像を1枚ずつ別けて…という事になるのです。
皆さんも、ハーフカメラで撮影したら現像するときに店員さんに、ハーフカメラで写した旨を伝えましょう。
手作業でやってくれるかも知れませんし、やってくれないかも知れません。
でも、伝えないと基本的にはやってくれません。
考えて努力すれば、道は開ける?
先人達は、必要に迫られて、必要だと感じて色々と考えてそれを技術で実現してきました。
写真も創意工夫、センスがなくても技術でカバー!
技術を活かすセンスが必要? それを言ったら御仕舞いよ!
時には教科書を読んで、歴史を知るのも重要なことです、それでは皆様も、良い写真ライフを!